先日、不動産オーナーである顧問先より、
「賃借人とは別に同居人がいるのですが、契約書にはどのように記載すればよいでしょうか。」
との質問を受けました。
賃借人の他に、賃借人の同居家族等が居住しているケースは多いと思います。
同居家族は別としても、「賃借人とは別の法人等を同居人としたい」等のケースもあり、対応には注意が必要と言えます。
この点、賃借人(賃貸借契約における借主)とは異なり、同居人には独立の占有権限はないと考えられています。
とはいえ、明渡時のリスク等をヘッジすべく、賃貸借契約書において、「同居人に過ぎず、独立の占有権限がなく、賃借人をして退去せしめなければならない」旨を明記されることが多いです。
上記について曖昧なままにしてしまうと、法的に転貸借契約との評価がされてしまうリスクもないとは言えないからです。
と言いますのも、仮に転貸借等と評価されてしまうと、例えば賃貸人が期間満了に基づく明渡請求をする場合に、正当理由として、賃借人のみならず、転借人の事情も考慮されてしまいます(借地借家法28条)。
その上で、正当理由が認められた場合であっても、転借人への通知が必要であり、転貸借契約の終了については同通知から6か月の経過が必要ともされているからです(借地借家法34条)。
上記以外にも注意すべき法的リスク等もあるのですが、賃貸借契約における同居人への対応についてご参考になりましたら幸いです。
弁護士 鈴木 謙吾
東京弁護士会
この記事の執筆者:弁護士 鈴木 謙吾
慶應義塾大学法学部卒。2005年に鈴木謙吾法律事務所を開設後、不動産関連の相談を多く受け持つ。 現在は50社以上の顧問先を抱え、慶應義塾大学法科大学院の非常勤教員を10年以上務めたほか、上場企業の社外取締役監査等委員としての業務も兼任している。


