先日、顧問先より、
「定期借家契約を締結するにあたって、何か注意点はありますか。」
という質問がありました。
まず、借地借家法38条1項2項において、定期借家契約を締結する場合には、事前にその旨を示した書面を借主に交付して説明する義務があることに注意が必要です。
その上で、事前説明書面を交付する必要があるとしても、テナントと締結する賃貸借契約書とは別の書面まで交付することが必要か否かについて、法的には考え方に争いがありました。
この点、最高裁H24.9.13において、明確に賃貸借契約書とは別の書面が必要と判示されました。
単にテナントが賃貸借契約書において定期借家契約であることを理解していれば足りるのではなく、別の書面の交付手続が必要という考え方です。
上記結論は、定期借家契約におけるテナント保護という趣旨に基づくものと思われます。
ですので、定期借家契約の貸主として契約を締結する場合には、複数の書面を準備する必要があることに注意が必要です。
弁護士 鈴木 謙吾
東京弁護士会
この記事の執筆者:弁護士 鈴木 謙吾
慶應義塾大学法学部卒。2005年に鈴木謙吾法律事務所を開設後、不動産関連の相談を多く受け持つ。 現在は50社以上の顧問先を抱え、慶應義塾大学法科大学院の非常勤教員を10年以上務めたほか、上場企業の社外取締役監査等委員としての業務も兼任している。


