2019.09.30

保証人の極度額(改正民法)

昨年に続いて、東京ビッグサイトにて不動産ソリューションフェアが行われ、「改正民法と賃料保証」についてパネルディスカッションを行いました。

第21回不動産ソリューションフェア

改正民法においては、極度額の定めがなければ根保証の効力が生じない範囲につき、個人が保証人となる根保証契約一般にまで広げられています。
極度額を定めて責任の上限を予測可能にすることで、保証人の保護に資するという趣旨に基づいています。

条文としては以下の通りですが、本条により、建物賃貸借契約における個人の保証人の根保証契約に極度額を定めなければならなくなります。
そのため、不動産実務においては、契約書への極度額の記載漏れには十分な注意が必要です。
また、妥当な極度額の設定が今後の課題となるでしょう。

改正民法465条の2(個人根保証契約の保証人の責任等)
1項 一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であって保証人が法人でないもの(以下「個人根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。
2項 個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。

この点、極度額の具体的金額について、賃貸借契約から生じた損害額に関する国土交通省の統計資料(国土交通省「極度額に関する参考資料」平成30年3月30日)は有用な資料になり得ますので、少しでも参考にして頂ければ幸いです。

極度額に関する参考資料(国土交通省)

弁護士 鈴木 謙吾

弁護士 鈴木 謙吾

東京弁護士会

この記事の執筆者:弁護士 鈴木 謙吾

慶應義塾大学法学部卒。2005年に鈴木謙吾法律事務所を開設後、不動産関連の相談を多く受け持つ。 現在は50社以上の顧問先を抱え、慶應義塾大学法科大学院の非常勤教員を10年以上務めたほか、上場企業の社外取締役監査等委員としての業務も兼任している。