先日、顧問先より、
「貸しているテナントが民泊として利用されている可能性があるのですが、賃貸借契約を解除することはできますか。」
と相談を受けました。
平成29年に住宅宿泊事業法が成立したことにより、制度が整備され、届出や登録することで、比較的簡易に民泊を営むことができるようになりました。
そのため、テナントにおいても民泊が営まれることが増えるかもしれません。
貸主側の注意点の一つとして、「貸主は、民泊営業を理由として用法順守義務違反で賃貸借契約を解除できるか」という点があります。
この点、民泊には、家主不在型と家主居住型があると言われています。
まず家主不在型は、借主自身が当該物件には居住しておらず、住宅宿泊管理業者が住宅の維持保全業務や宿泊業務を行うため、使用目的に反することが比較的認められやすいでしょう。
他方、家主居住型は、友人を泊めることと同じ側面がありますが、使用目的を居住に限っている場合には、収益を得る点が使用目的と異なるとして、用法順守義務違反が認められる可能性があります。
どちらも賃貸借契約上の目的との関係で用法順守義務違反になるか否かが判断されます。
民泊を好まない賃貸人としては、賃貸借契約を締結する際に、使用目的に民泊を含まない旨を明記しておくことが重要になってくるでしょう。
以上の通り、民泊といっても事実関係によって対応は異なりますので、まずは賃貸借契約書の目的等を十分に確認した上で、解除できるか否かを検討することになろうかと思います。
弁護士 鈴木 謙吾
東京弁護士会
この記事の執筆者:弁護士 鈴木 謙吾
慶應義塾大学法学部卒。2005年に鈴木謙吾法律事務所を開設後、不動産関連の相談を多く受け持つ。 現在は50社以上の顧問先を抱え、慶應義塾大学法科大学院の非常勤教員を10年以上務めたほか、上場企業の社外取締役監査等委員としての業務も兼任している。


