2012.07.23

賃貸借契約における立場

先日、顧問先でもある賃貸借契約のオーナーから明渡請求に関する法律相談を受けました。
その同日、以前裁判を担当した会社より、

「賃借人として立退請求を受けていますがどうしたらよいでしょうか。」

という相談を受けました(実態としては、立退料をどれだけ受け取って出て行くことになるかという点がポイントでした)。

その上、同日は慶應義塾大学法科大学院での授業があり、賃貸借契約に基づく明渡請求の事案において、判例等を十分にリサーチした上で学生に意見を回答してもらう回にあたっていました(正確に言えば、不法行為に基づく損害賠償請求がメインでしたが・・・)。

弁護士の職務上、全く反対の立場で主張立証することもないとは言えないのですが、同じ日にそれぞれ反対の立場から相談を受け、しかも大学院で緻密な理論構成等の講義まで行うこともあまりないのではないかと思います。

ただ、どの場面や立場においても、「例えば他方当事者の立場では○○という主張を考えていると予想できますね」というアドバイスはより明確にできたと言えるかもしれません。

東京にて弁護士として執務していますと、訴訟の相手方から相談を受けるという利益相反の関係に立ってしまうことはあまりありませんが、上記のような珍しいケースもありますので、今回は事案としてご紹介させて頂きました。

弁護士 鈴木 謙吾

弁護士 鈴木 謙吾

東京弁護士会

この記事の執筆者:弁護士 鈴木 謙吾

慶應義塾大学法学部卒。2005年に鈴木謙吾法律事務所を開設後、不動産関連の相談を多く受け持つ。 現在は50社以上の顧問先を抱え、慶應義塾大学法科大学院の非常勤教員を10年以上務めたほか、上場企業の社外取締役監査等委員としての業務も兼任している。